自分の中にある既成概念を壊す

仕入れ先からヴィンテージのボタンやパーツを選んで持ち帰ってきました。

買ってきたものを眺めながら、自分はなぜあえて古いものを選ぶのかということについて思いを巡らせていました。
かつての私は古いものに抵抗がありました。
“見ず知らずの人が使ったもの”という居心地の悪さ、“アンティーク”や“ヴィンテージ”という言葉だけで、壊れかけたものや着古されたものに付けられた値段への疑問。

昔ながらの職人技で作られたものが上質で長持ちすることは分かっていたし、時を経たものに奥深さを感じる自分も居たけれど、なかなか手が出せませんでした。

けどやっぱり“かわいい”と感じる自分も居て、高校生のときアルバイトでお金を貯めてフランスやアメリカのUSEDのお洋服やバッグ、アンティークの腕時計なんかを買いにヴィンテージショップを巡ったりしていました。

目利きのできない買い物は失敗をしたこともあるけれど、手元に残っているものは20年以上経った今でもやっぱり魅力を感じる。だから分かるんです。古くてもその価値があることを。

ブランドとして今後のことを考えるとオリジナルパーツを作って独自のデザインを大量生産した方が、ずっと効率は良いのですがどうしてもそこに踏み込めませんでした。

古いものには古いものにしか出せない味わいがあります。現行品とは違う物語を感じる。ものの裏側にストーリーを感じるのです。そのもの自体に奥深さを感じるのです。それが、私があえて古いものを選ぶ理由。

常に流行りに飛び乗りキレイに整ったものに囲まれる生活は途中から無性に居心地が悪くなってしまう。

みんなと同じで安心してしまう自分や、欲を貪っている自分を感じて辟易してしまうのです。

目の前の手の届きやすい場所で安住しようとする自分の弱さを感じてしまう。

だから私はあえて奥行きのあるものを求めようとするのだ思います。

本当は手近な方が楽だし、みんなと一緒の方が安心する。けど、そこに居てはいけないような気がするのです。

大量生産じゃなく人の手で一つ一つ作られたもの。過去には大量生産だったかも知れないけれど現在まで存在し続け歴史を纏ったもの。

金額的なこともありますので全部が全部そのようなもので自分の周りを固めることはできませんが、なるべくそういうものを選びたいと思っています。

そんな思いから私個人は古いものをそのまま使ったりもしますが、それに抵抗を感じてしまう人もいて……。けど、その人たちの気持ちもすごくよく分かるのです。

だから私はバランス良く現在のものを組み合わせて新たな価値を作って提案しています。

古いものに抵抗がある人に、少しでも循環型のライフスタイルを取り入れてもらいたい。

そうやってものが巡回することで、またそのものに物語が生まれて奥行きが増してくる。

単なる“お古”だなんて言わないで。私の手でまた別のものに蘇らせて新しい価値を創造するから。

それが誰かの手に渡って歴史を刻み永く使える深みのあるものになっていけばいいなと、自分の手から離れた先のことに心を向けて製作しています。

どの人もみんながみんな、自分の感覚を信じて自由に自分を着飾ることに躊躇しない世の中が私の理想。

私の“好き”もあなたの“好き”も、いろんな“好き”が受け入れられる日本になれば良いな。

古いものに抵抗を感じていた人、プチプラで流行を追っていた人にこそ、cherouiteのアイテムを取り入れてもらいたい。

“かわいい”の感覚を通して自分の持っていた既存の概念が壊れるときの快感ったらないんですから!

きっと自分の幅が広がります。


cherouite〜シャルウィット〜

切りっぱなしで仕上げた布のアクセサリー モロッコの伝統的なラグ、ボ・シャルウィットの 自由でカラフルなデザインとの出会いから cherouiteは始まりました。

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