その土地の風土が育てる感性

私は神戸で育ちました。

住んでいたら意識しないのだけれど、客観視すると神戸という街はユニークです。

古くから貿易が盛んで海外との交流も多かったからか、華僑の人たちや欧米、アジア、中東まで、さまざまな国の人が住んでいて、その文化が街中に入り混じっているのが当たり前です。

海と山に挟まれた場所で日常には十分に事足りるオシャレさもあり、車で少し行けば野山が広がる自然も残っている。海水浴場もすぐだし、パンダやイルカもいる。

気候は常に穏やかで過ごしやすく、大阪や京都にも在来線ですぐに行けてしまう。

適度に古さと新しさが融合しているところもおもしろい。

中心地に歴史的な建造物が多いのは、多くの文化を受け入れてきた昔からの都会だったからなんだとも推測できる。

いろんなものが程良く整っている場所が神戸と言えます。

土地に由来してかファッションも不思議なもので、いろんな場面で調和の取れるコンサバ色が好まれる傾向があります。
そんな風土で育ったからか自分が作るものにもそのような感性が根付いているような気がするのです。

思いっきりカラフルでガチャガチャしたものを作ろうとしても、なぜか出来上がったものはワントーン落ち着いた感じになるし妙にまとまってしまう。

作り始めた当初は周りと比べることなく自分が良いと思ったものをひたすらに作っていたので気になりませんでしたが、だんだん慣れてくると周りのことも観察するようになり、もっとぶっ飛んだ感じのものも作りたいなぁなんて思ったりもして手を動かしてみるものの結局キレイに収まってしまう。

逆も然りで、限りなくシンプルに仕上げようとしても、なんとなく落ち着かない自分が現れ結局、手を加えて潔さを崩してしまう。

そんなどちらにも行き切れない自分のことをつまらないなぁなんて落ち込んだこともありましたが、いくらもがいたところで自分が作れるものは自分の中にあるものだけだということに気付かされました。

そしてそれは決してつまらないものなんかじゃなく私にしか出せない色(雰囲気)なんだと思います。

そして、そこに共鳴してくださった方がcherouiteをご自身のライフワークに取り入れてくださる。

ここでもう需要と供給が合致しているのだから何も落ち込む必要なんてないのです。

cherouiteのアイテムにはたくさんの要素がミックスされています。

どこか決まったジャンルの特定の人に向けたピンポイントのアイテムではないけれど、さまざまな場面で溶け込み着ける人に馴染みつつ個性も垣間見える商品を作っています。

どうしても自分から切り外せないこの感覚は、きっとここ“神戸”という土地で培ったものなのだと思うのです。

大阪のド派手で思いっきり個性が際立つカラーや、京都の伝統を重んじる職人技の色に嫉妬を感じる前に、自分(地元神戸)の良さに目を向けて発信していきたいなぁ〜なんて思う今日この頃です。

さて今週末は名古屋でイベント出店です。

クリエーターズマーケットvol.45
12月11日(sat)・12月12日(sun)
11:00〜18:00
at ポートメッセなごや3号館
ブースNo.C-354
まだ画像は撮れていませんが新作のマジェステも可愛く仕上がっています。

他にもこの秋冬に発表した新シリーズもお待ちしますので、ぜひ 3 号館 C-354 のcherouiteに会いに来てくださいね!

cherouite〜シャルウィット〜

切りっぱなしで仕上げた布のアクセサリー モロッコの伝統的なラグ、ボ・シャルウィットの 自由でカラフルなデザインとの出会いから cherouiteは始まりました。

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