模倣
今までインスタをメインにしていたので、ここでは出店のお知らせくらいしか載せていませんでした。
けど、インスタでは伝えきれないことがあるのだということを最近よく感じるので、今回は少し長めに書いてみようと思います。
つい先日、仲の良い作家仲間が作品を模倣されました。
真似て作ったものを私的に使うならまだしも、あたかも自分が生み出した作品と言わんばかりに作品タイトルまで同じにして、とあるマルシェで販売していたのです。
こういう光景は、実はよく見かけます。
先日のイベントでも、ある有名な作家さんの作品を模倣したものを並べて売っている人がいました。
またあるときは芸能人も愛用している超有名な作家さんの作品と似たようなデザインのものがミンネで売られているのを見たことも。
ハンドメイド人口が増え続ける昨今、似通った作品ができてしまうことは少なからずあると思います。でも今回のは似ているどころか全く同じデザインだったので悪質性を感じ、気持ちが収まらず模倣した本人にコメントで指摘したのでした。
私は自分で言うのはなんですが、割と寛大な方なのです。その私ですら見過ごすことができなかったほど。
模倣犯は私のコメントに返答することもなくページ自体を削除し、無かったことにしようとしました。さらに私をブロックして閲覧できないようにしてきたのです。確信犯であることは明らかでした。
デザインをコピーする人は必ずいます。コピーした人の方が有名になって、本家が真似したような構図になってしまうこともあると思います。
自分が本家だと思っていても、すでに先人がいたということだって、よくあることです。
私も自分の代表作である布のボンボンが完成したとき、すでに似たようなことをしている人がいないか、めちゃくちゃ調べました。
その後も、模倣する人がいたらどうしよう、模倣した人の方がセンスが良くて羨ましく思うほどの作品を見せつけられたらどうしよう……まだ起きてもいないのに、そんなことをよく考えたものです。
そこで私が至った結論は、そんなことに怯えるよりも、「真似をするならしてみろ!」「 私よりも良いものが作れるなら作ってみろ! 」そう思った方が、いくらか心が楽になるということでした。
それくらいの自信を持って作品作りをしていないと、購入していただいた方に申し訳ないと……。
けど心のどこかでは、「ちょっと器用な人なら、すぐに同じようなクオリティのものが作れるんだろうなぁ」と弱気な気持ちもあったり……。
“ものづくり”をする人間は常にこのような葛藤と戦いながら、自分の作品と向き合いながらオリジナリティの追求をしています。
表には見えない不安や恐怖、焦りとの戦いの末に、人を惹きつけるものが生まれるのだと信じて止みません。
模倣されるようになれば一人前。作家として一つの山を越えたと自負して良いのだと思います。
私はまだまだそのレベルには達していませんが、もし似たような作品を作る人が現れたら、さらにその先のレールを引いていたいなぁと思います。
いつだって真似される側の人は、真似する側の人が及ばないほど高いクオリティとデザイン性で駆け抜けています。模倣は所詮、模倣でしかないのです。
私も同じなるなら、追われる側の人間になりたい。
けど今は目の前の課題をクリアしていくことしかできないのだけれど……。その日々の積み重ねの先に、見たことのない世界が広がっていくのだと信じて。
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