作品?商品?

ハンドメイドを始めた当初からずっと思っていること。

それは私たちハンドメイドクリエイターと呼ばれる人たちが作るものは“作品なのか商品なのか”ということ。

ハンドメイドの世界をまったく知らなかった私は自分がものづくりを始めた当初、ハンドメイドをしている人たちのことを作家と呼んでいることに違和感を感じていました。

そして作られた物を作品と呼ぶことにも居心地の悪さを感じていたのです。

なぜなら作品というものは芸術品で、本来なら売るために作られるのではなくアーティストが表現するために作るものだと考えていたから。

自分の渾身の力作を見てもらい、欲しいという人が現れたときに初めて値段を付ける。それが作品と呼ぶにふさわしいものだと認識していました。

また“作家”という言葉も文章を書く人や芸術品を生み出す人の総称という意味合いで使っていたので、一主婦が手作りして売っていることを作家業と表現する考え自体がそもそもありませんでした。

なのではじめは自分のプロフィール欄には“ものづくり人”とか“つくる人”とか、そんな風に書いていたと思います。

もちろん商品のことも自分からは“作品”と言わないようにしていました。

8年間、活動してきてここ2〜3年でようやく周りから“作家さん”や“作品”と言われることに抵抗がなくなってきたのですが、やはり自分からはなかなか言いにくいのが正直なところ。

ただ出店する場所や媒体によっては、そのように呼ぶ方がお客様にとって分かりやすい場合があるのだということを知りました。

そうやって自分から“作家”や“作品”という言葉を使うことを許せるようになったのはこの1年ほどのことです。

お客様に笑顔になってもらいたくて販売するために作っているので、やはり作品ではなく商品という要素の方が大きいと認識しています。

でも作品と言ってもらえるのは本当のところ、すごくうれしい。
「アクセサリーというよりアートに近い」なんて言ってくれる人も居たりして、それはそれはとっても感激しているのです。

そんな風にcherouiteのアイテムを見てくださる人が居るのなら、もっとクリエイティブに仕上げていこうと創作にも力を入れ、商品写真も友人カメラマンに依頼して一緒に試行錯誤してもらいました。
とても感性豊かで王道をあえて逸れる独創性のある彼のカメラワークは、cherouiteの価値をさらに引き上げてくれたと思います。

写真の世界観に負けないように、少しでもお客様にアート性を楽しんでいただけるように、cherouiteだけが提供できるオンリーワンのアクセサリーをお届けしたい。

“作品”と呼ぶには足りなさすぎる溝を少しずつ埋めて、一歩でも二歩でもアートに近づけるよう、お客様にただのアクセサリーという認識以上のものを感じてもらえるよう、これからも進化し続けたいと思います。


cherouite〜シャルウィット〜

切りっぱなしで仕上げた布のアクセサリー モロッコの伝統的なラグ、ボ・シャルウィットの 自由でカラフルなデザインとの出会いから cherouiteは始まりました。

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